
国際障害者年(1981年)のある日、私は車椅子の男性と出会いました。
その男性は脳性麻痺の方で、わたぼうし音楽祭へ連れて行ってほしいとおっしゃいました。
当時、私は全寮制の高校(定時制)に通っていたので、男性をわたぼうし音楽祭まで同行援助すると【門限に間に合わない!】と一瞬こころによぎったのですが、ご一緒する事にしました。
(やはり門限には間に合いませんでしたが先生に説明すると対応してくださいました。)
この出会いは私の人生の中でも福祉に対する思いが大きくなり、ある意味転機となりました。
国際障害者年 (1981年を指す)
→障がい者の「完全参加と平等」という目標の実現を目指して各国が行動を行う年
わたぼうし音楽祭
→障がいを持つ人たちが綴った心のメッセージをメロディにのせて歌うコンサート
以下は私が高校生の時に校内弁論大会で発表した一部です。
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(男性とは国際障害者年について会話をしました。)
男性:「われわれ障がい者が自ら街に出て行きみんなと話をし考えていかなければならない」と...
私は素晴らしいと思いました。
よく相手の身になって考えてみると言いますが相手の身になるという事はどういう事でしょうか?
自分の立場を考えた上での相手に対する考え方であるならば自者と他者とを区別したことになります。障がい者からみた健常者、健常者からみた障がい者という考えに過ぎないと思うんです。
障がい者と健常者が共にゼロを起点とし出発し頑張っていく事が大切だと思います。そうする事によって真の解決方法が見つかると思うんです。
昭和56年校内弁論大会より
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この出会いは、今も私の原点となり、心の支えとなっています。
あれから時代は変わり、障がい者に対する社会に少しずつ変化はありますが、私が思い描いていた協働社会の世の中にはまだまだです。
そんな思いもあり今の私にできる事を頑張っていきたいと思います。